2017/12/1212/30(土)・31(日)『ペール・ギュント』演出家・出演者からのコメントと舞台写真が届きました!
平昌冬季オリンピック開・閉会式の総合演出を務める韓国気鋭の演出家ヤン ジョンウンのもと、浦井健治をタイトルロールにエネルギッシュなキャストが集結した舞台『ペール・ギュント』。
東京公演初日を迎えた心境や作品の魅力について語ったコメントと、舞台写真が届きました!
気鋭の演出家と日韓20名のキャストにより、150年前にヘンリック・イプセンにより書かれた不朽の名作がアジア演劇の最前線として甦ります。
生演奏、歌、ダンスに彩られた、今年の締めくくりにピッタリの祝祭的な『ペール・ギュント』をぜひご覧ください!
■コメント(クリックでご覧いただけます)
「生きる」ということは「祝祭」であり、同時に「気づき」でもある。このようなメッセージを含んでいる『ペール・ギュント』という作品を、多くの人に観に来ていただいて、感じて、楽しんでいただきたいと思っています。私自身、(09年・12年の韓国版を経て)再びペールの旅路に戻ってくることができてすごく幸せです。リターン・トゥ・ジャーニー(Return to Journey)という言葉がありますが、この「帰ってきた旅路」で私は感動、幸せ、発見、自覚、気づきや成長を得ることができました。
まるで子どものように純粋で、美しく、ユニークな想像力をもつ、ペール役の浦井さんをはじめ、日本と韓国の出演者のみなさんは愛に満ちていて、オープンで、未知の世界への旅路をためらわない勇気があります。この『ペール・ギュント』の旅路を楽しむことを知っている方々ばかりなので、一緒に作品をつくることができてとても光栄で幸せです。
世田谷パブリックシアターの『ペール・ギュント』を心より愛してます!
ヤンさんが泣いて喜んでくれたのが、僕にとっての何よりの表彰状です。日韓合同で時間をかけてつくってきて、ヤンさんが見たかったものを初日に持ってくることができた。お客様のエネルギーを僕たちが共有することで生まれた化学反応なのか、それが「演劇」であり、そういう奇跡が初日に起きたことが嬉しかったです。
『ペール・ギュント』は、イプセンが「上演に適していない」と言った通りとてもスリリングな作品ですが、ヤンさんの抽象的な表現がこの作品にとてもリンクしていて、僕もヤンさんが授けてくれた翼のおかげで、ペールなのか浦井なのかという、演じることの境界を心地良く行き来できる役に出会えました。これから年末の兵庫公演まで、毎日を楽しんで過ごせるような良い船旅ができたらなと思っています。
この作品は、まるでおもちゃ箱やびっくり箱、またはルービックキューブみたいに、シーンが変わるごとにヤンさんの演出によって色々な面が飛び出てきて、深さと楽しさの両方を持っている作品だと思います。ペールがその中を走るジェットコースターのように旅をしているのだとすれば、その間、ソールヴェイにも色々な心の旅があって、心の中で自分自身と戦って自分を探している。そういう強さのある女性だと感じています。
韓国の方々がこのカンパニーにいることでみんなオープンになって、日本にいながらにして海外にいるような楽しさがあります。今日このメンバーで、無事に初日を迎えられてとにかくホッとしています。
エンディングで、涙が出てきました。10月に来日して皆と出会ってきたこれまでのすべての旅路が思い浮かんできて、それをまるで祝祭のように、お客様と一緒にこの作品で分かち合えたことがすごく嬉しかったです。日本や韓国という国境を越えてキャスト、スタッフがひとつになってお互いを気遣い、励まし合いながら頑張っている今の過程が幸せです。
お客様のエネルギーは、まるで母親のような広い懐で私たちを包み込んでくださっていて、それが感じられたことも感動的でした。明日からもお客様の前で、母親の前で自由に遊ぶ子どものように、思いっきり遊びまわります。私の家族、友達と一緒に。仲間たちと一緒に。
母親というのは偉大な存在で、私も今、オーセを演じていて自分の母親を思い出します。やっぱり、女神ですよね。どんなにとんでもない息子がいてもやっぱり親は親、子どもは子っていう、この愛の絆。幸い浦井さんという素晴らしい俳優が私の息子であることで、本当に日々、愛が増えていく一方です。そして最後は最大の愛で、ペールを含めてステージにいる人、お客様、すべてを包んでいるつもりでいます。
ヤンさんの稽古場はみんなでつくっていきます。そして出来たダイヤモンドに、彼のテクニックがさらに輝く最終的な光を宿すんです。優しくて、愛に溢れてる人間です。またご一緒できたらいいなぁって、そんな希望が生まれましたね。
■舞台写真(撮影:細野晋司)
日韓文化交流企画
『ペール・ギュント』
12/30(土) 12:00/18:00
12/31(日) 12:00 阪急 中ホール
兵庫県立芸術文化センター