2025年2月15日(土)、16日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて開催いたしました「バロック・オペラ・エボリューション2025 濱田芳通&アントネッロの『オルフェオ』」(兵庫県立芸術文化センター 開館20周年記念公演)が「第23回佐川吉男音楽賞」を受賞いたしました(授賞式:10月10日(金)、於:日本工業倶楽部)。当館の主催公演の受賞は、今回が初めてとなります。
ご来場くださった皆様、ご支援賜りました皆様、そして本公演の制作に携わってくださいました出演者・スタッフの皆様に厚く御礼申し上げます。
【佐川吉男音楽賞】
音楽評論家として長年活動され、特にオペラ活動の評論活動を通しその振興発展に尽力された故・佐川吉男氏の業績を関係者の心に留めるとともに、生前佐川氏が特に専門とされてきたオペラやチェコ、スロバキア関係の音楽活動の振興を主な目的に、同夫人によって平成15年に設立された音楽賞です。中小オペラ団体が主催する公演で、特に優れた成果をあげたもののほか、選考委員が賞に値すると認めたものに対して贈られます。
【贈賞理由】
濱田芳通の主宰する古楽アンサンブル「アントネッロ」はバロック・オペラ上演プロジェクト<オペラ・フレスカ>などを通じて、古い時代のオペラに生まれたばかりの輝きと生気を取り戻す成果をあげてきた。膨大な史料から最適な要素を抽出し、現代的な感覚でまとめる濱田のセンスが、多くの知られざる作品の魅力を引き出している。
特に今回は兵庫県立芸術文化センターと神奈川県立音楽堂との共同制作で、これまでのファンのみならず、幅広い聴衆へと「アントネッロ」の音楽を届ける成果を挙げた。
最初期のオペラであるモンテヴェルディ作曲「オルフェオ」は洗練された音楽と舞台に仕上がり、あらためて歌芝居としての面白さを伝えた。コルネットやサクバットなどの古楽器を含む色彩豊かなオーケストラを自在に操って、個性的な音楽を組み立てる。冒頭を木管による古曲「ラ・マントヴァーナ」の軽やかな楽想で始めたのも印象深い。オルフェオ役の坂下忠弘やエウリディーチェ役の岡﨑陽香など歌手陣も健闘。メッサジェーラを演じた彌勒忠史が存在感をみせた。荒井雄貴のプロジェクション・マッピングによるオルフェオの昇天なども美しい。親しみやすく、水準の高い公演となった。
兵庫県立芸術文化センター 開館20周年記念公演
バロック・オペラ・エボリューション2025 濱田芳通&アントネッロの「オルフェオ」
公演日:2025年2月15日(土)、16日(日)
公演詳細は
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同賞のニュースリリースは
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(公益財団法人 三菱UFJ信託芸術文化財団のウェブサイトが開きます)
兵庫県立芸術文化センター