
アリーナ・イブラギモヴァ
無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
Alina Ibragimova Solo Violin Recital
Intaview インタビュー
――この夏はレイフ・オヴェ・アンスネスが芸術監督をつとめるローゼンダール室内音楽祭に参加されていましたね。
アンスネスやベザイデンホウト氏たちとの共演はいかがでしたか。
ノルウェーのローゼンダールは信じられないくらい美しい場所で(注1)そこで開催される音楽祭も本当に素晴らしいものでした。私は初参加でしたが、ベートーヴェンの室内楽を演奏し、聴くことができたこと(注2)、そしてアンスネスをはじめ新たな室内楽仲間と一緒に仕事ができたことはとても幸せでした。
注1:ローゼンダールは、雄大な自然が生み出す美しい地形、フィヨルドを擁すことでも知られる。
注2:今年のローゼンダール室内音楽祭はベートーヴェンがテーマ。
――また、夏といえばロンドン、BBCプロムスですね。今年もピアノのティベルギアンさんと出演されましたね。2015年のBBCプロムスでのバッハ・ソロ公演は伝説のコンサートとして日本でも知られています。これまでのプロムスの思い出を教えてください。
ようやくこの夏、ロンドンでは、ほぼすべての日常が戻ってきました。プロムスも再び開催されることになりとても嬉しく思います。プロムスでの演奏はとても特別で素晴らしいものです。特にロイヤル・アルバート・ホール(注3)では、立ち見のお客様とステージがとても近いので、独特の雰囲気があるのです!プロムスは誰にとっても忘れられない何かをもたらしてくれると思いますが、2015年、そのステージに立ち、バッハの無伴奏を演奏したことは何物にも代えがたい貴重な出来事でした。私に変化をもたらし、多くを学ばせてくれた、一生忘れることができない経験のひとつとなりました。
注3 :1871年の開場以来、数々の伝説を生み出してきたホールで、毎夏2か月に渡り開催される世界最大の音楽祭「プロムス」のメイン会場としても知られている。建物の大きさは83メートル、キャパシティーは7,000人。この偉大なホールでの、アリーナ・イブラギモヴァによるバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータを全曲演奏は観客に大きなインパクトを与えた。(同年のプロムスではヨー・ヨー・マがバッハの無伴奏チェロ組曲全曲演奏を行っている。)
8月1日に行われたBBCプロムスatブリストルでの演奏をお聴きいただけます。
→Live at the BBC Proms
※外部サイト(英語表示)へリンクします。スピーカー設定にご注意ください。
――カルテットで2回、ティベルギアンさんとのデュオで兵庫県立芸術文化センターに度々登場いただいておりますが、今回、無伴奏で、また、2000席のKOBELCO大ホールには初登場となります。プログラムへの聴きどころ、想い入れを教えてください。
無伴奏ヴァイオリンのために書かれたレパートリーは、実は私たちの多くが知っている以上に幅広くあります。今回演奏する作品、ビーバーやバッハのポリフォニーから、イザイの神秘的なもの、パガニーニのヴィルトゥオーゾ的なものというように、実にバラエティに富んでいるのです。無伴奏ヴァイオリンが異なる作曲家によってどのように捉えられ、用いられてきたのかを凝縮して表現したいと思っています。今回は最後にバルトークの無伴奏ソナタを演奏しますが、これはヴァイオリンのための作品の中でも、あらゆる面で最も複雑なもののひとつです。
――今後予定しているプロジェクトや、取り組みたい作品について教えてください。
普段からシーズンごとに少ないですが全く異なるプロジェクトを持つようにしています。今後数か月は、バルトークのヴァイオリン協奏曲第1番に取り組み、またヨルグ・ヴィットマンのヴァイオリン協奏曲第1番に再び取り組むことと、セドリック(注4)とシューマンのソナタ3曲を掘り下げ、継続的にはキアロスクーロ・カルテットとベートーヴェンの四重奏曲チクルスの演奏と録音を行っています。
注4:デュオのパートナー、ピアニストのセドリック・ティベルギアン
――前回の来日(2019年2月)からしばらく経ちましたが、行ってみたい場所や食べてみたい料理など、日本で楽しみにしていることはありますか?
この3年半、日本に行くことができずとても寂しく思っていました。日本は私の大好きなお気に入りの場所のひとつで、コロナ禍前は定期的に訪れることが楽しみでした。日本における芸術や文化を尊重するまなざし、自然、そしてもちろん食べ物も、もう一度体験したいと思うものばかりです。
――演奏を心待ちにされている日本/兵庫のお客様へ、メッセージをお願いいたします。
私が心から皆様にお伝えしたいことは一つだけです。
再び共に集い、音楽の力を感じ、音楽への思いを分かち合えることに
私は信じられないほどの安らぎと幸せを感じている、ということです。
Profile プロフィール
アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン) Alina Ibragimova , Violin
バロック音楽から委嘱新作までピリオド楽器とモダン楽器の両方で演奏するアリーナ・イブラギモヴァは、2015年BBCプロムスでバッハ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータの全曲演奏を行い、英ガーディアン紙は、この公演を「イブラギモヴァの演奏の臨場感と誠実さには、演奏家と聴衆の間に存在するいかなる距離感をも打ち破る興味深い能力が備わっている」と評価、彼女の名声をさらに高めた。 21/22シーズンのハイライトは、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ロンドン響等との再演の他、マーラー・チェンバー・オーケストラにデビュー。 これまでに、バイエルン放送交響楽団、ボストン交響楽団、クリーヴランド管弦楽団、ヨーロッパ室内管等と共演。また共演した指揮者には、ベルナルト・ハイティンク、サー・ジョン・エリオット・ガーディナー、ダニエル・ハーディング、フィリップ・ヘルヴェッヘなどがいる。室内楽でパートナーを組むセドリック・ティベルギアンとは、ウィグモア・ホール、コンセルトヘボウ、ムジークフェラインなどの他、ザルツブルク、オールドバラなどの音楽祭に出演、またキアロスクーロ・カルテット(弦楽四重奏)の創立メンバーとしても活動。 最新の録音は、パガニーニの「24のカプリース」とメンデルスゾーンの「ヴァイオリン・ソナタ集」。使用楽器は、ゲオルク・フォン・オペルから貸与されたアンセルモ・ベローシィオ(c.1775年製)。2016年、大英帝国勲章MBEを授与される。
Information 公演詳細
アリーナ・イブラギモヴァ 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
2022年9月10日(土)
14:00開演 (13:15 開場)
兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
料 金 A ¥3,000/B ¥1,000(税込・全席指定)
【プログラム】
ビーバー
『ロザリオのソナタ』より パッサカリア ト短調
J.S.バッハ
無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番
二短調 BWV1004
イザイ
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番 二短調「バラード」
バルトーク
無伴奏ヴァイオリン・ソナタ
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