作家・岩井秀人の実の家族をモデルにしたこの作品は、祖母の認知症をきっかけに再集合した家族が、過去の関係を清算しきれず、お互いの分かり合えなさに沈んでいく様を描いた、厚みある悲喜劇である。次男と母、二つの目線で同じ時間を繰り返す構造が、「家族」という切っても切れないはずの関係を力づくでねじ切り、その傷跡を我々に見せつける。ハイバイ流の「笑うしかない」切実さと悲惨さのバランスは、この作品で形成された。
2008年の初演以来、再演を重ねるたびに当日券を求める観客が劇場前に列をなしてきた本作を、「完全版」としてキャストを一新。
劇団代表作と呼び声高い「て」を、劇団20周年の節目に、同じく20周年の兵庫県立芸術文化センターで初上演!
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